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世界一自由な学校。きのくにこどもの村学園の根底にある思想。

世界一自由なサマーヒルスクールとは?元祖フリースクールの特徴を解説

オルタナティブ教育
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皆さんは世界で一番自由と言われているサマーヒルスクールをご存知でしょうか?

サマーヒルスクールは「現代のフリースクールの先駆け」とも言われており、授業の選択から参加・不参加までも生徒自身で判断して決めます。

その自由な教育方法から近年注目されているオルタナティブ教育(*)の一つとなっています。

*オルタナティブ教育とは 学校教育法で規定されていない教育法のことであり、代表的なものにシュタイナー教育やモンテッソーリ教育等があります。探求型、少人数制、無学年制といった方式をとることが多いのが特徴で、思考力や行動力が身に付きやすいと言われています。学費が比較的高かったり、オルタナティブ教育実施校では学校教育法上の卒業資格を得られない場合があるので考慮が必要です。

ところが、今の日本ではサマーヒルスクールの認知度はまだまだ定着していないため、下記のような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

  • サマーヒルスクールって学校なの?
  • 子どもに受けさせて悪影響はないの?
  • 日本のサマーヒルスクールを知りたい

今回は、サマーヒルスクールが誕生した背景や創設者の理念などにも触れながら、話題の教育法について紹介していきます。

ぜひ、本記事を最後まで読んでいただき、サマーヒルスクールを導入する際の判断材料にしてください。

サマーヒルスクールとは

「世界で一番自由」と言われるサマーヒルスクールは、世界で最初に開設されたフリースクールと言われています。

サマーヒルスクールの創設者は、「A.S.ニール」という教育者です。

イギリスのサフォーク州にあるレイストンという小さな町でニールは、「自由な子ども達を育てる」ことを教育理念に掲げ、全寮制のフリースクールを設立しました。

そもそもフリースクールとは

フリースクールとは、「不登校」「身体障害」「知的障害」「心的障害」など様々な事情で、一般的な学校に通えない子どもを受け入れている施設です。

フリースクールは一般的な学校と違い、個人やNPO法人が運営しています。 そのため、スクールによって理念や方針、形態、就学費用が異なるのです。

子どもの自主性を優先にしている点では全てのサマーヒルスクールで共通しますが、学年によって教育カリキュラムが一律に設定されているわけではありません。

また、フリースクールの中には、特別な事情を抱えていない一般の子どもを受け入れている施設もあります。サマーヒルスクールもどんな子どもも受け入れてくれるフリースクールの一つです。

サマーヒルスクール独自の点

サマーヒルスクールが尊重しているのは「自由」な学習環境です。

自由といっても、ただ子どもの好き勝手にさせるというわけではありません。サマーヒルスクールでは、「自治」を通じて子ども達の「権利」や「自律」を尊重できるように工夫をしています。

サマーヒルスクールの創設者ニールは、一般的な教育が知識を重視しすぎるあまり、子ども達の感情を軽視していると考えていました。子ども達の感情を尊重する環境にこだわった結果が、子ども達による自治という形だったのです。

親や教育者からの強制や圧力が及ばない子ども達だけの自治は、子どもの自由な発想や表現、社会的態度を成長させていきます。

サマーヒルスクール開校当初は、自分の興味のある分野しか育たず、周囲の子どもとの教育レベルに差が生まれると批判されていましたが、サマーヒルスクールの卒業生の大学進学率は他の学校に劣らない水準を保ち、中には経営者になるなど、普通の学校と同等かそれ以上の教育効果を示し、認められるようになったのです。

サマーヒルスクールが注目される理由

サマーヒルスクールが注目される理由は、他のオルタナティブ教育とは少し異なります。

サマーヒルスクールは「子ども達に学校が適応する」ことで現代教育の問題点を解決する方法として注目されているのです。

現代教育の問題点の一つとしてよく挙げられるのが、「いじめ」や「引きこもり」など学校に適応できない子ども達がいる点です。これはいかに効率よく、平等に教育の機会を与えられるかという観点から均一の学校を作り上げた結果として起こった問題だと言われています。

この問題の解決策の一つが、生徒が自分達で学校を作り上げていくサマーヒルスクールのようなフリースクールなのです。

現段階では学校に適さない性格を持った子どもの避難学校のような扱いをされていますが、より多くの子どもに理想的な教育を届けられる教育方法としてサマーヒルスクールが期待されています。

サマーヒルスクールの特徴

サマーヒルスクールへの理解を深めるため、教育理念や特徴について解説していきます。

サマーヒルスクールの教育理念

サマーヒルスクールの創設者であるニールの掲げた教育理念は、自由と自治の精神です。

この理念は「子どもには子どもの人生を主体的に生きる役割がある」というニールの根幹的な考えに基づいています。

自由と自治を目指し、サマーヒルスクールは教師が教科書を手に教壇に立つというスタイルの教育法を排除し、子ども達が自ら考え、学び、処理していく力を養える環境を整えました。教師ではなく、子どもたちの自由な発想と自治による社会性によって学びを得ることを基礎にしたのです。

自由なのに校則が多い

サマーヒルスクールは自由を大切にする学校ですが、校則が多いという特徴があります。

自由な事と校則が多い事は一見一致しませんが、実は全ての校則は生徒たち自身で作られていくので問題ありません。逆に校則こそが、サマーヒルスクールの「自治」の成果です。

子ども達は自分達でルールを作ることでより快適な学校を目指します。自分達の楽しい学校生活のために子ども達は自由に校則を増やしていくのです。

また、校則を破った時の罰則も自分達で決めます。そのため、子ども達は自分達が本当に嫌な罰則をかけ、大人に決められた校則よりも効力のあるルールを作っていくのです。

授業は選択制

サマーヒルスクールが「世界一自由な学校」といわれるのは、授業が選択制であることも由来しています。

カリキュラムがないわけではありませんが、授業への出席そのものが自由ですし、学習プランも子どもたちが自由に選択します。

サマーヒルスクールが選択性を重視する理由は、「どのように成長したいのか」「どのような人間になりたいのか」など、必要なテーマは子ども自身が決めていくことが学びの本質であると考えていた創設者ニールの思想を受け継いでいるためです。

サマーヒルスクールのメリット・デメリット

フリースクールの起源でもあるサマーヒルスクールには、一般的な学校教育にはないメリット・デメリットがあります。ここでは、サマーヒルスクールの主なメリット・デメリットをそれぞれ挙げておきましょう。

メリット

  • 一般の学校に行けないor行かない子どもが自分のペースで通える。
  • 学校に通うという日常によって引きこもりを防ぎ、子どもの自尊心が保てる。
  • 教師から与えられる知識ではなく、自分の関心のある課題が学べる。
  • 自由な環境の中で自分らしい発想や表現が磨かれる。
  • 自治を運営していく中で社会的な態度や自主性が養われる。

サマーヒルスクールには、どんな子どもにとっても「居場所」があります。 一般的な学校に通う生徒の中には「学校に行かない」自分を責める子どもいますが、サマーヒルスクールは、自分の存在が認められる場がある事で学校に行きやすくなり、自尊心も上がりやすくなるのです。

またサマーヒルスクールは、自由な学びを提供する場として従来の教育方法にはないメリットを得られます。

、 自分の関心に従って主体的に学び、探究心や独自の発想を育める点はサマーヒルスクールの最大の恩恵とも言えるでしょう。

デメリット

  • 通うための費用が一般の学校より高くなる。
  • 自宅の近くに実施校がなければ通いづらい。
  • 進学に必要な偏差値教育が受けられない。
  • *最近の統計では、高校へ進学した生徒は中以上の成績だそうです。

  • スクールによって教育のクオリティに差がある。

義務教育でないフリースクールには公的資金が投入されないため、通うには多額の学費を自己負担する必要があります。

さらに、フリースクールからは卒業資格が与えられないので、認定校に籍を置いた上で出席扱いになるよう所定の手続きをするなどクリアするべき条件が発生します。

スクールによって教育境や教育システムに違いがあるので、同じサマーヒルスクールを実践していてもクオリティは一定ではありません。

日本にもサマーヒルスクールはある?

日本にも数は少ないながらもサマーヒルスクールは存在します。ここでは、日本でサマーヒルスクールを実施している学校を紹介しましょう。

日本でもオルタナティブ教育は人気が高まっていますが、サマーヒルスクールの実施校は限られているのが実情です。

世界一自由なサマーヒルスクール

ここまで、サマーヒルスクールの教育理念、特徴、メリットデメリットを紹介してきました。

サマーヒルスクールは、一般の教育と違い、自由な発想と子どもの主体性による自治によって教育プログラムを実践しているのが大きなポイントでした。

ここでもう一度メリットを振り返っておきましょう。

サマーヒルスクールを受けるメリット
  • 一般の学校に行けないor行かない子どもが自分のペースで通える。
  • 学校に通うという日常によって引きこもりを防ぎ、子どもの自尊心が保てる。
  • 教師から与えられる知識ではなく、自分に関心のある課題が学べる。
  • 自由な環境の中で自分らしい発想や表現が磨かれる。
  • 自治を運営していく中で社会的な態度や自主性が養われる。

従来の教育は知識重視で教師から与えられる制度的な環境で子どもたちを学ばせるため、子どもの個性を損なったり、子どもの自主性をつぶしたりしてしまいがちです。

、 サマーヒルスクールをはじめとするオルタナティブ教育によって、幼い頃から自由な発想と能動的な社会性を身につけることは、子どもの将来に価値ある影響をもたらすはずです。

ぜひ、サマーヒルスクールのようなオルタナティブ教育についての知見を広げ、これから幼児教育を導入する際の参考にしてください。

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