大人の童話 かき氷
-
大人の童話 かき氷
- 、
- ごめんなさい、寒い冬に読まれるのなら、こたつに入って読んでください(笑)
- 、
- ある、雪の降る山奥の村のお話しです。
- 今日は、村人が集まって何やら庄屋様からのお話しがあるそうな
- 、
- 「暑い夏に集まってくれてありがとう。実は、お殿様からこの村へ伝言じゃ。
- どこかに洞穴を掘って、洞窟を創ってほしい。そして、冬に沢山雪を集めて、どこかの洞穴にたくさん入れてほしいそうじゃ」
- 「雪を洞穴に?」
- 「どうすんじゃ?」
- 「わしも、分からん!ただ、後で村人総出で、お城へ来てほしいとな」
- 「え!お城へ行くだかな?」
- 、
- それから、半年後の真夏、お城から次の指示が来た。
- 「大八車に雪を一杯乗せて、大八車5台むしろを何枚も重ねてお城に持ってきてほしい」
- 「雪を大八車に載せて、お城まで?」
- 「雪なんて、真夏の今ではほとんど残っていないべ」
- 「そうだ、そうだ、それも大八車で雪さ一杯のせても10日かかる道のり、全部溶けないか?」
- 、
- 「溶けるのは分かっているそうじゃ、途中溶けだしたら、出来るだけ台数を減らしながら、雪を大きな塊のまま、持ってきてほしいそうじゃ」
- 「わしゃ、全部溶けると思うだ」
- 「でも、お殿様の言うことに逆らえない、できるだけやるべ」
- 、
- そうして、村人総出て、洞窟から雪を取り出し大八車に乗せ、むしろを何枚も掛けた。
- 総数5台の大八車は、野を超え、山越え、10日かけて城に着いたときは、手に持てるぐらいの氷の塊になっていたそうじゃ
- 、
- 城では、村から届けられた小さな氷を料理侍が、包丁でサラサラと削って、小さな器に載せ、その当時砂糖が無かったから、漢方薬でほんのり甘い薬草をかけて、お殿様にお出ししたそうな
- 、
- 「おお!冷たくてうまいぞ」
- 「村の者大儀であった。褒美を取らす」
- 村人はお殿様から褒美をもらい、一年の労をねぎらった。
- 、
- さて、皆さん。もうお気づきと思います。私たちは100円で氷菓子買えますよね。
- 私たちの現代での生活は、実は、お殿様やお姫様よりも裕福な生活をしています。
- 、
- 物価が高いなどと、不平を言わずに、お殿様、お姫様に成りきって、優雅な現代生活を満喫してください。